更新日:2016.4.24 |
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歩く 四国八十八カ所
遍路の旅 |
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i−愛ロマンチカ (写真枚数: 6582枚) |
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信仰ということから一番遠いところにいるはずの私たち夫婦が、何故遍路?ですか。 |
言い訳 |
東京〜徳島間を深夜運行している、定員12名の全席テレビ付個室の豪華大型バスに乗りたくなり、 |
それならばと、有名な四国八十八カ所を巡礼することを、何も知らないで軽く思い立ったのが、そもそもの始まり。 |
そんな動機不純な遍路の旅立であるが、弘法大師は決してお堅いかたではなくお許し下さることと思う。 |
巡 拝 |
歩き全行程約1400kmで、東海道53次の江戸日本橋〜京都三条大橋間を一往復半する距離の長さには、正直びっくり。 |
道 場.. |
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寺院名を、クリックしてください . |
参考資料:「四国遍路ひとり歩き同行二人(地図編)(解説編)」 へんろみち保存協会編 |
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このホームページ(HP)は |
遍路の道筋を多数の写真で紹介することで、 |
・これから遍路の旅を計画されておられる方には、参考資料として |
・すでに結願されておられる方には、思い出として |
・現地に行かず、インターネットで遍路の旅を楽しみたい |
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という人たちに、何かお役に立てられたらとの思いで、作成したものです。 |
経 路 |
遍路「歩き」経路は、へんろみち保存協会編「四国遍路ひとり歩き同行二人(地図編)」による。
但し、現地道標と異なるところは、現地道標に従った。 |
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「遍路用語」 |
四国八十八カ所霊場 |
弘法大師空海(774〜835)が、四国八十八カ所霊場を開いたといわれ、今年開創1200年。 |
ただ、現在の八十八カ所に整ったのは、 |
1687年(江戸時代中期)に高野聖・真念が、「四国辺路道指南」で1番から88番を順に紹介したことによる。 |
これらの寺は「札所」と呼ばれている。 |
遍路とは |
「四国で巡礼すること」を指す言葉で、すなわち「四国にある88ヶ所のお寺を巡る」こと。
昔、修行者が修業する厳しい海岸沿いの「土地」や「その路」のことを、「辺地(へち)」・「辺路(へじ)」といい、
その読みが変化して「へんろ」となったのが語源とも言わている。 |
同行二人 |
遍路の精神を表す考え方で、弘法大師と共に歩いているという意味 |
お接待 |
遍路道を歩くお遍路さんに、地元の人が「お接待です」と言って飲食物やお金などを提供する風習。 |
お接待をする側は、弘法大師と一緒に歩む人に対しての布施行として功徳をつむことができる。 |
自分に代わって遠方の札所へお参りをして欲しい、という無償の行為。 |
「遍路用品」 |
・菅笠(すげがさ) |
弘法大師を表す梵字や同行二人などと書かれている |
・輪袈裟(わげさ) |
略式の袈裟。食事のときやトイレのときは外す |
・白衣(びゃくえ) |
昔は死に装束とされたが、現在は清浄を表す |
・納札(おさめふだ) |
名前や願いごとを書いて本堂と大師堂に納める |
・納経帳(のうきょうちょう) |
お参りの記しとして、納経所でご朱印を授かる帳面 |
・頭陀袋(ずだぶくろ) |
経本、納経帳、ロウソク、線香など巡拝に必要なものを入れる |
・金剛杖(こんごうつえ) |
弘法大師の化身とされるもの。トイレには持ち込まない |
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「参拝の作法」 |
山門に一礼→ 手水場で手と口をすすぐ→ (鐘があれば)鐘をつく→ 本堂に向う(菅笠、輪袈裟、数珠) |
→ ロウソク(1本)と線香(3本)をあげる→ 鰐口を鳴らす→ 納め札を納札箱に入れる→ 賽銭をあげる |
→ 読経する→大師堂でも同様に参拝する→ 納経帳に朱印をいただく→ 山門で本堂に一礼して出る |
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参考資料 |
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・四国遍路ひとり歩き同行二人(地図編)(解説編) |
へんろみち保存協会編 |
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・四国八十八ヵ所 はじめての遍路 |
日本放送出版協会 |
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・*週刊四国八十八ヵ所遍路の旅(全30号) |
講談社 |
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*絶版につき、Amazonから古本で購入 |
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遍路を旅して |
「いい日旅立ち」 |
スタートの1番霊山寺の販売店で、へんろ用品を取り揃えた。 |
このとき応対していただいた尼僧さんが、帰り際に「人それぞれでいいから、楽しんできなさい」の一言。 |
それまで、遍路本を読むと、
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宗教的な面から「こういうことをしてはいけない、ああしなければいけない」などということばかりが多くて、 |
正直なところこの遍路を旅をすることは、気が重かった。 |
この尼僧さんの「楽しんできなさい」という一言で、目の前がぱっと明るくなり旅に喜びを感じた。 |
この尼僧さんとの出会いは、私にとってまさに「いい日旅立ち」。 |
「1日の歩く距離」 |
約1/3の寺院が山寺のため、道中は平坦な道だけでなく、 |
標高700mを越える山岳もありいわば白装束姿の登山で、沢道、崖道、急坂、そして岩場登りなど結構険しいところも多い。 |
そういうところを含め、約8kgのリックサック(妻は約5kg)を担ぎ当初は1日約25km、慣れてくると約30kmペースで歩く。 |
ただ、リックサックの重さはもっと大胆に減らすべきと反省。またHP用写真を撮りながらは、距離の足かせとなっている。 |
歩き慣れた人であれば、30km以上の歩行距離が普通なのかも知れない。 |
「遍路を歩いて旅する人たち」 |
寺院では、大勢の参拝者に出会うこともあるが、それ以外のところでは歩いている白衣姿の人に出会うことは殆どない。 |
要するに、ツアーや車遍路の人たちが殆どということ。 |
それなら、歩き遍路の人たちがどのくらいいるか? |
1日の歩行距離約30kmとすると、この間を歩いている人は、 |
歩き遍路の人たちだけを接待している坂本屋のボランティア―の人、67番札所大興寺の係員、 |
87番長尾寺先の「前山おへんろ 交流サロン」係員、の話から推定すると、 |
1日せいぜい平均10〜20名程度と思われる。(従って、全行程1400km区間では、450〜900人くらい) |
要するに、約30kmの間に20名程度が散在して歩いているわけだから、道中お互い出会うなどは奇跡に近いと言える。 |
「お接待」 |
家から出てこられて、車を止めて、自転車から下りて、店の中で、遠くから走ってこられて、農作業中に、そして寺院でも |
果物、袋一杯のお菓子類、ケーキ、ドリンク、オデン、干芋、干し柿、カイロ、手作り巾着、湿布剤、焼香セット、多額の現金、
その他。 |
いろんなところで、いろんな人たちから、いろんな「お接待」を毎回のごとく本当に多数いただきました。感謝です。 |
常に、お接待を携帯されておられる人も多いようです。 |
また休憩所(遍路小屋)にも果物、お菓子類、ラーメン、時には熱いコーヒなどいろいろ用意されているところも多く、 |
宿泊した旅館からも、旅のセット、ドリンク剤、おにぎりなどなどいろいろ工夫されたお接待をいただくこともありました。 |
道後温泉街の食堂で、「おすまし」に「茶碗蒸し」のお接待をいただいたときは、正直びっくりしました。 |
そして、お接待をいただきまた「同行二人」を心することになります。 |
「お接待」は、殆どの場合私たち夫婦それぞれに頂きましたが、なにかそういう慣わしがあるのかも知れない。 |
「道 標」 |
道標一覧表 (主としてワッペン類の道標を一覧にしたもの) |
各種団体、個人が、一覧表に示すようないろいろ工夫したワッペンを作り、道標を競っている。 |
中には、可愛くて心和むもの、男心を惑わすものなど本当に多種多様で、楽しませてくれる。 |
ただ、結構性格づけされているようで、山道に強いもの、他のワッペンと群れることなく1枚だけ頑として自己主張しているもの、 |
詳しく見ていくと、面白い遍路旅ができるかも知れない。 |
この道標があるので、遍路地図は不要というようなことをいう人がいるようであるが、 |
関東にあるような電柱などに地番表示がないので、地図がないと現在地がわからないで歩くことになり、大変困ることもある。 |
また、この道標は単に「遍路」を旅する人のためだけでなく、団体同士の誇示の目的もありそうで、 |
同じ電柱に7枚も貼ってあるかと思えば、長い距離全くワッペンがなく不安になるところも多々あるなど、肝心なところにない。 |
また、分かれ道ではどちらの方向を指しているのか惑わすものも、それだけでなくたまには間違った道へ導くワッペンもある。 |
要するに、「遍路地図」は絶対に必要。 |
「遍路宿」 |
いわゆる遍路「宿」は、昔からやっているところが多く、一泊2食付約6000円台と安い。 |
ただ、設備やサービスがいまいちというところも多い。 |
このご時世遍路客も少ないようで、、年配のご夫婦などが細々と経営されているのをみるととても利益があるどころではなく、 |
むしろボランテァ精神ではないかと思うと、設備の改善など無理な願望はとてもできそうもない。 |
そういう中で、一般旅館並以上に料理や人的サービスで頑張ってくれているところも結構あるが、ひどすぎるところもある。 |
事前に、インターネットで口コミの評判を確認することが、必須。 |
こういう古くからの遍路宿では、食堂で同宿の人たちと時には主人も加わり、遍路の情報交換や主人への相談・アドバイスなど |
和気あいあいの団らんの時間があるが、これこそ遍路宿文化の真骨頂と言えるのではないだろうか。 |
「気 象」 |
強風、豪雨、寒波、大雪にアイスバーンの山道、おまけに地震。 |
「南国」のイメージからは想像できないなんでもありの気象を、道中度々体験した。 |
季節によることもあると思うが、これらの対策をした準備は絶対に必要。 |
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