歩く四国八十八カ所
        i−愛ロマンチカ
    
発心の道場-徳島県(阿波)
第1回5日目 2014.3.12(水)
         
12番焼山寺(20.8km)→ 13番大日寺(2.3km)→ 14番常楽寺(0.8km)
→ 15番国分寺(1.8km)→ 16番観音寺
.      
焼山寺から大日寺への経路は
・国道438号線で神山役場経由
・山道を通り鏡大師経由
の2つのコースがあり、前者は後者より約10km距離が長い。
ここでは、後者の山道コースを選択。
積雪の関係で、札所順番を変更して観音寺は既に2.14に参拝しているので、
ここでは国分寺から観音寺までの道筋を示す。
    
12番焼山寺(20.3km)→ 13番大日寺2
2014.3.12 なべいわ荘を出発して、昨日確認してある大日寺への上り口に戻る。
この地点は、焼山寺から約3.4km。
上り口出発 7:44 
上り口に入り、すぐ右折して小さな橋を渡り山道を上る。
結構険しい
山道で、例えが妥当かどうかわからないが、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」の類。
朝からよい運動と、半分喜びながら、道端に「二十一丁」と刻まれた
地蔵尊像
約22kmということであるから、大日寺までの距離を示したものだと思う。
光の入らない山道を上り下りを繰り返し、突然まぶしい光が差し込む道
この辺りで、後ろから「おはようございます」という若い女性の声。
地元徳島県阿南市平等寺近くに住む一人遍路旅の女子大生で、今日は大日寺で宿泊予定とのこと。
つくづく思うに、このごろの若い女性は顔もスタイルも抜群の美人ばかり、DNAが変わったのかな〜。
坂道を下り、車道に出て道なりに進み、路盤の傷んだ細い道に入り、小さな橋を渡り分かれ道は左手を進む。
ひっそりと静まり返ったを、女子大生との会話が弾み難なく右に左に上り続ける。
その先左にカーブするコーナーに、「大日寺 一八.七粁」標柱。ここが
山道の入口
は、急でなかなか険しい。
鍋岩と言われるだけあって、岩が塞ぎ崖道があり、大きな岩が横たわる。
その先の上り切ったところが頂上。
ここの上り道は難所と言っていいかも知れない。
ただ、「山椒」の類の軽妙さはなく、ごつごつした「骨太」難所。
この難所で、女子大生と妻に遥かに離され、妻は時々待ってくれるが女子大生はハイさようなら。
上り切った後は、下り上りを繰り返しながら車道に出て進み、その先で道なりに左折し、
切通し(写真中)を通ると、左側に峠の石仏群(写真左)、右側にトイレ・水飲み場付へんろ休憩所
ここからは急坂の下りが続き、前回太龍寺の長いコンクリート坂道で痛めた左膝を気にする。
林の中の
長い坂道、出たところ右側に石燈籠。中には、裸電球がついていて電線も引かれている立派な現役。
ますます急になる坂道、ただ太陽がいっぱいのこの道はとても快よくルンルン気分。
左側に、今朝山道を上ってから初めての
民家
右に左にカーブして坂を下り続け、右側に遍路さん休憩所-ヘンロ小屋神山・第36号
再会!
なんと骨太山道で別れてしまった美人女子大生が、ここにいるではありませんか。
話を聞くと、介護施設の迎車が来るまでの間、おばあちゃんの話相手になってあげていたという。
なんと、心優しい女性だろう。素晴らしい人生を歩んで欲しい。
彼女曰く、この休憩所はとてもトイレがきれいで、また
景色も素晴らしいとのこと。
それに、旅人を癒してくれる多数のミカン用意されていました。
ここでも、彼女の方が先に出発してしまい、もうきっと次の再会はないです。
しばらく下ると、左側に清水の水飲み場
結構下まで降りた道端に、
半分破損した小さな立札(合成写真)に手書きで「鏡石大師 この下すぐに・・・(字が読めない)
これ、鏡大師のこと!?
見逃してしまうほど目立ちたくないように立札が立っているが、
あまりにも粗末にし過ぎるのではないでしょうか。
なお、この地点が焼山寺から8.9km。
立札から
急な坂道を下り、一折れして突当りに大師堂。

弘法大師像が安置されているお堂(写真右)の脇の大きな石が、鏡石
鏡石:大師がここで休息し傍らの石を撫でたところ、
石が輝きだして人の顔が映るようになり「鏡石」と呼ぶようになった。
明治初年に少し曇りが出たので研ぎ屋に研がせたところ、それからはもとの輝きを失ってしまった、という。

もとの道に戻り、を下る。
今まで気が付かなかったが、道の両端の雑草などはきれいに刈り取られているが、
これはマムシを出現させない対策にもなっているのかも。
ようやく下り切って、
県道20号線と合流して進む。
焼山寺からここまで約10km、峠からは約4.5kmの坂道が延々と続いたことになる。
と、右側に我々と同じ
遍路姿のご夫婦。思わずご挨拶したら、これカカシでした。よく出来ています。
阿川橋を渡り、親子が歓迎(写真中)する突当り丁字路(写真左)を右折し、20号線を進む。
この親子もカカシでした。
その先の
父娘(合成写真)が立っている丁字路で、20号線と分かれ右折して坂を下る。
エッ、これもカカシなの?
鮎喰川にかかる福原橋を渡り、すぐ左折する。
青空に田園風景。幸せだな〜。
何々「お気をつけて!!大日寺まで約12kmです。阿川のかかし ここは(名西郡神山町字福原)です」
ということは、
あなた方もカカシ?この地は本当にカカシが盛んなんですね。
ただ人間には一人も出会いませんでした。
は、山に入る。
駒坂峠を越えて、蛇行しながらを下り、
鮎喰川にかかるまだ新しい巾1mもない
コンクリート橋を渡って右折する。
手すりがないということは、潜水橋かもしれないが、水深が深そうで強風や凍結時は恐い。
高架タンク脇を通り、駒坂東バス停のところで再度県道20号線に出て右折して進む。
この地方では、
2重屋根、それも色変わりの屋根がところどころに見受けられるが、何の目的なんだろう?
鮎喰川に沿って進み、今が盛りの紅梅に飾られた県道20号線のゆるい坂を下る。
長瀬バス停の橋の袂に、「
公衆トイレ↓看板(合成写真)。
下方には立派な一棟建トイレ。わざわざ設置していただき感謝します。
しばらく進み、広野郵便局を過ぎた先の
交通標識に従い、丁字路から20号線と分かれ右折する。
この丁字路は、焼山寺から13.2km。
鮎喰川にかかるを渡り、県道21号線に出て左折する。
広野小学校前、「公衆便所」標識のあるゆるい坂の
21号線を上り、左側に食事処「長半茶屋」。
このとき、時は12:06。
足の遅い私には食事時間など本当はとれないのだが、魔がさしたかここで食事をして約40分ロス?タイム
食事を済ませ再度21号線の坂を上り、続いて下り坂となる。
この辺りは、「
南馬喰草(合成写真)という珍しい地名。「みなみまくそう」と読むようです。
そんなとき、対向車線に車が止まり、窓を開けてこちらに手を振って何やら合図。
白衣の年配男性の方からの、
お接待でした。
夫婦仲良く分けるようにと、各々ミカン3個と沢山の飴の入ったビニール袋2個。
わざわざ車を止めてまでのお接待、それに夫婦の仲までお心づかいしていただき、
本当にありがとうございました。
とてもうれしい気分で歩き続け、右手上方に「
日本一美しいしだれ桜の町 ここは臼嶽大看板
日本一って、すごいですね。私も是非一度は見たいです。
左手を流れる鮎喰川の水はとてもきれいで、
さっき確か「日本一きれいな川」というような子供たちの看板を見ました。
な、なんと一羽の鷺が川で思案気
(合成写真)。絵になります。
頭上に
徳島市の境界標識。ここから徳島県名西郡神山町から徳島市に入る。
左側の大木は、徳島市指定保存樹木「むくのき」
そして、「
船儘比賣神社」のとても小さな社。
徳島市内の21号線、手書きで消えかかっている「12番(大日寺のこと)まであと3.6km案内板
助かります、あとわずか、俄然元気が出てきました。
そして、大きな
「徳島刑務所立看板。人の世話になっても、ここだけは絶対にお世話にならぬよう。
徳島入田郵便局を過ぎ、
屋根に風車をつけた建物と「おやすみなし亭」・「大日寺1.8粁」標柱。
これ、へんろ休憩所なんですが、中に入ってびっくり!!!
この休憩所には、風力発電が設置されている。
この電力で、ミカンと冷水ポットの入った
冷蔵庫扇風機が2台と電気時計
広い室内には
電気ポットコーヒセット
飴玉の入った缶、それに金剛杖立などいろいろみんな揃えてありました。
このような素晴らしい休憩所、有志の方々が設置されたということですが、ありがとうございます。
コーヒを何杯もいただきました。
備えてあるノートを拝見したら、最後のページ(もっとも新しいということ)に
「阿南市の20代女性ですが、
焼山寺を出発し長い距離で泣きそうだったがこの休憩所で癒され疲れがとれました。
感謝の気持ちで一杯です。お裾分けに持参の飴玉を置いていきます。」とありました。
彼女は、明らかにあの美人女子大生!本当に心優しい人です。いっぱい幸せになってください。
その飴玉を、1ついただきました。
あと1.8km。その先右側に「府中殿遺跡石碑。うーん、案内板が欲しい?
21号線を道なりに進み、左側に
第13番大日寺
大日寺到着 14:53 山道上り口から約7時間。前日の焼山寺から通算8時間30分。
大日寺の道を挟んで、反対側に
阿波の国一の宮神社
      .  
第13番札所大栗山大日寺(だいにちじ) (徳島市一の宮町)
開基:弘法大師  本尊:十一面観世音菩薩
弘法大師が、大日寺の北側にある「大師の森」で修法しているとき現れた大日如来のお告げに従い、
大師は堂宇を建立しその像を刻んで安置した。
従って大日寺の本尊は、大日如来であるべきだが、現在は十一面観音菩薩となっている。
それは、大日寺が、阿波の国一の宮として篤く信仰された一の宮神社の神宮寺であったことから
一の宮神社の本地仏であった十一面観音菩薩が大日寺の本尊となり、大日如来は脇仏となったことによる。
山門本堂
    .
13番大日寺(2.3km)→ 14番常楽寺
大日寺出発 15:15
山門を出て左折し
、境内の角を左折して境内沿いに進み、その先の丁字路は道標(合成写真)に従い直進。
なお、石柱道標の指差の方向は間違いで、貼ってある赤いワッペンンの方向が正しい。
道端に、「南無阿弥陀仏」などの
多数の石碑
一本道を進み、分かれ道は左手に入り、その先の石柱の立つ丁字路は右折してコンクリート擁壁沿いを通る。
道標に従い、左折、右折して分かれ道は左手の坂を上り、
突当りを左折して鮎喰川にかかる
一の宮橋を渡り、渡り切ったら右折して県道207号線を進む。
四国みち標柱のところから左折し、ゆるい坂道を上り「常楽寺看板から右手に入り、
坂を下り
車道と合流し右折する。
とある民家の階段登り口に、「アンパンマン一族の絵」。こちらの方はアンパンマンファンなんですね。
昨年、私は無理やり横浜アンパンマンミュージアムへ連れていかれ、
それ以来アンパンマンは正義の味方と知って大ファン。作者やなせたかしさんがこの前亡くなられ、残念です
頑張れ、それ行け、アンパンマン!
ゆるい坂を上り、突当りを右折して
道なりに進み、丁字路を左折して幼稚園前を通り、
池の脇を過ぎると、常楽寺参道階段。    
常楽寺到着 15:51 大日寺から約30分。
     
第14番札所盛寿山常楽寺(じょうらくじ) (徳島市国府町)
開基:弘法大師 本尊:弥勒菩薩
弘法大師が、この地で修法をしているとき、多くの菩薩を従えて弥勒菩薩が現れ、大師に説法した。
そこで、大師は80cmほどの尊像を刻んで堂宇を建立し、安置した。
弥勒菩薩は、釈迦の救いにもれた人たちを救済する仏と言われている。
本堂と露出した岩肌の「流水岩の庭
                             
14番常楽寺(0.8m)→ 15番国分寺
国分寺には、慈眼寺を「経由するコース」と「経由しないコース」があるが、
寺院に掲示されている「巡拝順路 第拾五番への順路」に従い、「経由しないコース」を歩いた。
常楽寺出発 16:12
山門を下りて左折して
なりに進み、分かれ道は左手を進む。
左側に、八祖大師堂
八祖大師:真言宗では、空海までの八代に及ぶ祖師を八祖大師として祀っている。
ちなみに、第八祖は、弘法大師。

六地蔵尊前
を通り、分かれ道は左手を進む。
左側に、六地蔵板碑
板碑:青石の供養塔で、鎌倉時代から戦国時代にかけて造立されたもの。
当板碑は、六地蔵を線刻したもので、紀念銘天正十二年(1584)造立は県内で最も新しい。

その先突当りに、
国分寺
国分寺到着 16:26  常楽寺から約15分
      
第15番札所薬王山国分寺(こくぶんじ) (徳島市国府町)
開基:聖武天皇(勅願) 本尊:薬師如来
天平13年(741)、
聖武天皇は諸国に命じ、天下泰平の世を願う国分寺・国分尼寺を全国に66ヵ寺を建てた。
この寺は、そのとき建てられて官立寺院の1つ。
本堂は、文化文政時代(1804〜30)に再建されたもので、阿波国国分寺としての風格をもつ。
山門本堂
    .
15番国分寺(1.8km)→ 16番観音寺
観音寺は、前回(2月15日)既に参拝しているので、ここでは観音寺までの経路のみ。
大日寺出発 16:49 
山門を出て、
突当りを右折し、さらに続いて右折し夕暮れの道を進む。
その先の丁字路を
標識(合成写真)に従い右折して細い川を渡る。
ここで標識の表示→について注意したいこと。
「太い縦↑観音寺」と「細い横→」が赤表示されているが、目立つ縦↑は車遍路用で、横→ が歩き遍路用。
道中目立つ立看板なども、車遍路用と疑ってみることもよいと思う。
畑道を進み、突当りを左折してその先丁字路を左折する。
畑道を通り、国道192号線に出て左折して歩道を進み、その先の信号で横断して左折する。
歩道を進み、丁字路を右折し突当りの丁字路を左折して道なりに進み、住宅街の中を通り、
交差点を右折する。
すぐ左に観音寺山門
観音寺到着 17:19  国分寺から、約30分。
     
第16番札所光耀山観音寺(かんおんじ) (徳島市国府町)
開基:弘法大師   本尊:千手観世音菩薩
本尊千手観世音菩薩は、弘仁7年(816)弘法大師が刻んだもの。
本堂内にある奉納品に、炎に包まれた女性の絵馬がある。
明治時代淡路島から訪れた6名の遍路のうち、茶堂で休んでいた一人の女性の白衣に突然焚火が燃え移った。
命はとりとめたが、女性は姑と仲が悪く「姑を柱にしばりつけ、薪で叩いたことがある」と告白。
その女性は大師の戒めと反省し、この絵馬を奉納したという。
山門(鐘楼門)本堂
      
今日の宿泊
これで、前回(2月)大雪で参拝できなかた、第12番焼山寺から15番国分寺まで参拝し、
徳島県内の寺院の参拝が終わったことになる。
明日から高知県に入るが、天気予報は暴風雨。
徳島県といい、高知県といい県の初めの天候には恵まれない。
前回参拝済の徳島県最後の23番薬王寺から、高知県最初の24番最御崎寺まで、歩いて約75km。
暴風雨であったため列車とバスで行くことにした。
今夜は、列車の便のよいJR徳島駅前の、
ビジネスホテル東横インに宿泊。
            
2016年3月21日〜24日に、改めて薬王寺から最御崎寺まで歩いた。
   
12番焼山寺〜
13番大日寺1
24番最御崎寺1
八十八カ所
徳島県 高知県 愛媛県 香川県
    
     
    
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