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栄福寺出発 13:25。
栄福寺を出て左折し急坂を下り、突当りを左折して住宅街の中を進む。 |
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田園の道となり、突当り分かれ道は左手に進む。
実は、最初はこの分かれ道は右手を進んだ。
分かれ道の三角地帯で仕事をしていた年配の男性が、大声で何やら叫ぶ。関わり合いになってはいけないと足を早める。
そのうち、「その道は違う」というような気がする声。
気になりたまたま通りかかった若い女性郵便配達員に遍路みちを尋ねる。
その女性は、ご親切にもとの分かれ道まで来て案内し、遍路みちは左手の道だと教えてくれた。
よく見ると、分かれ道の左下足元に目立たない小さな道標が1つ。これを見落としていた。
分かれ道の左手を進みながら、先ほど声をかけてくれた男性に、「お礼」をいうが、当然怒って知らんぷり。
めげずに、10回くらい大声でお礼を言うと、ようやく「笑顔」。
ありがとうございました。愛媛には悪い人はおりません。
左手の道を山裾沿いに、そして石積沿いに進み、左にカーブする。 |
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突当りの左側法面に、「犬塚」碑と「名勝 八幡山犬塚池」碑。
犬塚伝説:昔、仙遊寺と栄福寺をひとりの住職が兼務し、一匹の黒い犬に2つの寺の使いをさせていた。
犬は、山の上の仙遊寺で鐘が鳴れば山を駆け登り、山の麓の栄福寺の鐘が鳴れば山を駆け下りる。
ところがある時、仙遊寺と栄福寺の鐘が同時に鳴った。犬は迷い、右往左往し、途中にある池で溺れ死んでしまった。
悲しんだ村人は、池の湖畔に犬塚を作り、その池を犬塚池と呼ぶようになったと言われる、悲しい話。
突当りを右折してゆるい坂を上る。 |
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突当りを左折してコンクリート坂を上り、その先で左にカーブするところで林の中に入り、
左手にしーんと静まり返った大きな「犬塚池」。 |
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左崖下が池、その道を通る。
シーンとした空間に時おりポチャンというと音。多分魚が跳ねた音。数日来の雨でじめじめ湿った山道。
どことなく陰気な雰囲気。とても気味が悪い!背筋がゾクゾク。
こんなときに、人と出会えば気持ちも強くなるが、これまでの経験からしてもそんなことは千に一つもあり得ない。
こういうところを歩く遍路の旅人は、
私の計算では極論すると30kmもの区間に20人くらいがパラパラと歩いているわけだから、出会うはずがない。
早足でようやく池沿いの道を離れて、普通の山道になる。 |
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木洩れ日の道、そして階段、上り切って車道を横断して反対側の山道を上る。あれれ、いつの間にか空は青い。 |
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この山道は陽当りよく快適、突当りで車道に出て左折し、坂道を蛇行して道なりに上る。 |
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左側に59番国分寺へのおり口(○印)のある駐車場を通り、休憩所前を通り、その先に仙遊寺山門。 |
時は、14:19。 |
栄福寺から、2.4km。 所要時間 約50分。 |
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第58番札所作礼山仙遊寺(せんゆうじ) (愛媛県今治市玉川町) |
開基:越智守典 本尊:千手観世音菩薩 |
標高約300m作礼山頂上に建つ寺院。 |
7世紀後半、天智天皇の勅願で伊予国王越智守典が堂宇を建立。 |
本尊の千手観音は、海から竜登川を上がってきた竜女が一刀刻むごとに三礼して彫り上げたということが、
山号の「作礼」の由来。 |
その後、安坊仙人という僧が40年間この山に籠っていたが、養老2年(718)に雲と遊ぶがごとく忽然と姿を消した。 |
このことから、仙遊寺と呼ばれるようになった。その後荒廃した寺を弘仁年間(810~824)に弘法大師が再興。 |
昭和22年、山火事で本尊と大師像以外は全焼してしまった。 |
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仁王門(山門) |
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仁王門からの上り参道階段。中段にある弘法大師が多くの病に苦しむ人たちを救った「御加持の井戸」碑。最終階段。
山門から本堂まで、約300mの急坂で一気上りで10分。 |
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本 堂 |
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こんなに急な最終階段だったとは! 上るときとは急坂の感覚が全く異なる。 |
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吹雪の仁王門。 上るときは、青空まであった変化の激しい今日の天気。 |
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58番仙遊寺(6.1km)→ 59番国分寺 |
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仙遊寺出発 14:59。
仁王門から、雪の降る来た道を下り休憩所前を通り、駐車場の右側から急な坂道を下る。 |
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この道は、作礼山トレッキングコースになっているので、よく整備されている。
丸太橋、落下防止柵、五郎兵衛坂。
五郎兵衛坂案内板:昔、仙遊寺には伊代守から奉納されてには大きな太鼓がおいてあった。
音も大変大きく、桜井海岸までその音が聞こえたため、魚が逃げてしまい漁ができないと漁師の五郎兵衛が大層怒りました。
五郎兵衛は、仙遊寺まであがり包丁で太鼓を破った上に、仏様に悪口雑口を浴びせた。
その帰り道、この坂で転んで腰を打ち、そのときの怪我がもとで亡くなってしまった。
それ以来、この坂を五郎兵衛坂と呼び、歩くときは気をつけてゆっくり歩くようになった。 |
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急坂。視界が開け、ここから見た今治市街。 |
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長いながい階段を延々と下り、池の脇を通り、林の中を進んで突当りの車道を左折する。
この車道地点の時は、15:19。 仁王門からの所要時間は 約20分。 |
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坂道を下り石垣の外れで右折し、石垣のある通りを進み、住宅街を抜けて真っ直ぐ進む。 |
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その先で車道を横断して反対側の道に入り、池沿いに進んで吉祥禅寺前を通り、住宅街の中を進む。
このとき、前方から30才前後のアメリカ人らしい男性が、軽装の遍路姿でやってくる。逆打ちしている遍路の旅人でした。
「仙遊寺まで、あと何分ですか?」ときれいな日本語。(お主、なかなかやるね!)
こちらも負けじと、山道の険しさや境内の厳しい階段などを英語でいろいろ説明したが、完全に錆びついていて、
男性は「?」、「?」・・・。お互い諦めて別れました。 |
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その先で、県道155号線を横断して反対側の道に入り、閑静な住宅街を通り、左にカーブする。 |
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丁字路を右折し、一直線の道を進み、交差点を左折する。 |
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道なりに進み、車道を横断して自販機の前を通り、
その先で国道196号線今治バイパス信号交差点を直進して反対側の道に入る。 |
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一直線の道を進み、八百屋の前にくる。
何やら腰を屈めて手伝い(?)をしていた年配の女性が、こちらを見つけて「ご苦労さま、コーヒーを飲んでいきなさい」と、
「寿司 惣菜 はる」看板の、ご自分の店へ招きます。「はる」は、ご自分のお名前とのこと。
お言葉に甘えることにしました。
お湯を沸かしての本格的な「コーヒー」。飲み終えると今度は「おでん」次は「かりんとう」そして「おさかなソーセージ」。
「みかん」に大きな「チョコ―レート」と、お断りしても次から次へ・・・・。写真は私の分だけで、
隣で妻もまた同じものをいただく。
「温かいうどん」を作ってあげるから、食べていきなさい。」と、何が何でも作るとおっしゃる。
このままでは、大変失礼でしたがいつまで続くかわからない。国分寺の5時までの納経の時間も気になるので、
ありがたく強くご辞退申し上げて、食べきれなかったものはいただいて店を退出でることにしました。
年配の女性は、ちょうど80才、そしてこの「はる」店を出して50年。
最近はお客が全然来ないので、昨日まで3日間休業していたとのこと。
また、もう近々店を閉めることにしているとのこと。
本当にさびしく悲しいことです。
長い間おつかれさまでした。これからも、いつまでもご健康にお気をつけられて元気にお過ごしください。
お祈りしております。
そして、身にあまるお接待、ありがとうございました。
今日のことは、素晴らしい八十八カ所の思い出としていつまでも忘れません。 |
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八十八カ所や街道を歩くときは、昼食や休憩で食堂に入ることはしない(八十八カ所ではこれまで1回?のみ)ので、
ここでの休憩は貴重な体験(?)であった。
何故を休憩とらないのかって、それは私の歩きが遅いので、休憩する余裕がないからです。
20分ほどこの店で休み、16:16出発。
突当り丁字路を右折し、県道156号線を進み、JR予讃線踏切を渡る。
突当り丁字路の地点が、仙遊寺から4.2km。 |
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その先で、富田駐在所信号交差点を直進し、次の信号交差点も直進して、156号線を進む。 |
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国分橋を渡り、国分郵便局前を通り、その先で156号線が右にカーブするところで、左斜めに進み建物の間の道に入る。 |
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建屋の間を通り抜け、左折して参道階段を上って、右折したところに国分寺。 |
時は、16:40。 |
仙遊寺から、6.1km。 所要時間は、約1時間40分。(「はる」での休憩時間を除くと 約1時間20分。) |
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第59番札所金光山国分寺(こくぶんじ) (愛媛県今治市国分) |
開基:行基 本尊:薬師瑠璃光如来 |
奈良時代、「鎮護国家」を祈念して建立された全国で70近い国分寺の1つ。 |
天平13年(741)、聖武天皇の勅願で行基が開いた。 |
3代目住職のとき、弘法大師が逗留して五大明王の画像一幅を描き残して霊場とさだめた。 |
寺は、天正12年(1584)に長宗我部元親軍の兵火で焼失した。
現在の本堂は寛政元年(1789)恵光上人が再建したもの。 |
山門は、ない。 |
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本 堂 |
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59番国分寺(27.0km)→ 60番横峰寺1 |
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国分寺出発 16:53。 |
来た道を戻り、156号線に出て左折して道なりに進み、桜井小学校前信号三叉路を右折する。 |
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156号線を進んで、ビルの分かれ道は左手の156号線を進み、
大きなマツイコーポレーションビル前信号で左手からくる県道38号線今治街道と合流して進む。 |
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長沢バス停前を通り、その先の長沢交差点を左折し、国道196号線今治バイパスを進み、
左側に「桜井漆器会館」。 |
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今治小松道高架下を潜り、右側に「道の駅 今治湯ノ浦温泉」、その先に信号交差点。
今日は、ここまで。 |
時は、17:46。 |
国分寺から、4.5km。 所要時間 約1時間。 |
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今日の宿 |
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湯ノ浦温泉 今治湯浦ハイツ (2食付 温泉付 遍路特別料金 6500円) |
道の駅前信号交差点を左折し、坂を上ってしばらく進んだ高台にある。 |
6500円の超格安料金で、一般客と同じ(もしかしたら、夕食の内容がちょっと違うかもしれないが)に宿泊できる。 |