日本の航空機搭載レーダー

海軍

3式空6号無線電信儀 H-6

航空機搭載用のレーダーも陸軍と海軍は別々に開発を行った。
海軍は1939年から海軍航空技術本部の有坂磐雄中佐が中心となって開発を始め,1942年5月に開発機を 九七式飛行艇 に搭載して実験して8月に完成する。これが 3式空6号無線電信機 H-6 である。日本無線と川西が約2000台生産し、九七式、二式飛行艇、一式陸攻、銀河、零式水偵に搭載した。

H-6の仕様
周波数150MHz
パルス幅10μs
出力3kW
送信機平行2線式
受信機UN-954
探知距離70km(航空機)
探知距離100km(艦船)
距離精度±5%
アンテナ送受共通八木・宇多アンテナ
重量110kg
Block Diagram

3式空6号無線電信機 H-6
H-6

16式空6号 夜間戦闘用機レーダー FD-2

FD-2
月光 FD-2

夜間戦闘機用の射撃制御用レーダーは 16式空6号夜間戦闘用 機上レーダー FD-2 で1944年8月に完成する。東芝が約100台製造し月光、銀河に搭載する。

FD-2 の仕様
周波数500MHz
パルス幅3μs
出力2.5kw
送信管T321
探知距離航空機3km
距離精度5%
方向精度0.3度
アンテナ送受別八木・宇多アンテナ
重量110kg
Block Diagram

十九試空ニ号電波探信儀11型 玉3

夜間戦闘機 (J1N1-S/11 and J1N1-Sa/11a)用 1945/7 使用されず。
十九試空電波探信儀
周波数150MHz
出力3kW
探知距離航空機 3km
表示機PPI

5号1号電波探信儀

1944年11月に日本軍が1機のB-29を撃墜して地形レーダー H2X を捕獲して陸海軍共同で調査する。しかし日本には周波数10GHz の回路技術と部品が無かった。日本無線が三沢の拠点で周波数3GHzのマグネトロン M314 を開発して,1945年8月に八甲田山で試験して20kmを探知する。5号1号電波探信儀 である。しかし使用せずに敗戦となった。
5号1号電波探信儀
周波数10GHz
出力6kW
探知距離20km

陸軍

タキ1号

陸軍は重爆撃機用の対艦船レーダー タキ1号 を1943年3月に開発する。九七式重爆,重爆『屠龍』に搭載する。
タキ1号 の仕様
周波数200MHz
パルス幅5μs
パルス繰返周波数1000Hz
出力10kw
アンテナ送受別 宇田八木アンテナ
表示機Aスコープ
探知距離100km(大型艦),20km(浮上潜水艦)
重量150kg

タキ2号

敗戦の年の1945年に射撃制御用の タキ2号 が完成する。周波数375MHz,大型航空機探知距離3km、重量120kg、屠龍に搭載、住友通信。

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佐々木 梗 横浜市青葉区
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