2003年末―2004年始 イタリア―フランス旅行】

[03.12.25 THU.]

クリスマスの夜にローマ到着

 成田13:30発のJAL409便でローマへ。ローマにはほぼ定刻通りの18:30到着。フィウミチーノ空港駅から普通電車で、オスティエンセ駅へ。ここで地下鉄に乗換えてテルミニ駅に向かおうとしたところ、地下鉄駅入口の扉が閉まっている。ローマの地下鉄はクリスマスの夜は運休?! 仕方なく、再度電車に乗るが、テルミニ駅行きは出ていないため、ティブルティーニ駅へ向かう。ここでやっとバスに乗車し、21時過ぎにテルミニ駅着。駅の近くのホテル・カリフォルニアに宿泊。155ユーロ(1ユーロ=140)

 

[03.12.26 FRI.]

バチカンのサンピエトロ寺院へ

 朝8時過ぎにホテルを出発。バスでサンタンジェロ城の側のピア広場に到着。ここから徒歩でサンピエトロ広場(左下)を通り、サンピエトロ寺院(中下)へ。内部はカトリックの総本山に相応しい大伽藍。エレベーターと階段でドームの上に上がることができる。ここからのローマ市内の眺めはすばらしい。ドームから降りた後、バチカン美術館に行くがこの日は閉館だったため、再び広場に戻り、サンピエトロ寺院から続く城壁に沿って歩き、ローマ時代の城・要塞の跡のサンタンジェロ城に入る。内部は武具などが展示されている。

古代ローマの遺跡に圧倒される

 バスを乗り継ぎ、映画「ローマの休日」に出てくる真実の口のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に。この円形の石造物は下水道の蓋だったそうだが、そのようなものにもこのような造形を施した古代ローマとはどのような都市だったのだろうか?

 教会から10分ほど歩くとフォロ・ロマーノと呼ばれる古代ローマの中心部の遺跡に着く。大理石の建造物の遺構が大規模に残っている。長い年月の間よく残ったものと思うが、とにかく古代ローマの力を歴史を超えて見せられた気がする。遺跡を歩いて抜けると、コロッセオに行き着く。ここは、ローマ時代の奴隷を闘わせそれを見物するために造られたという巨大な競技場の跡。そのような目的にこのような建造物をつくったところに、かつてのローマ帝国の権力の大きさが象徴されているようで圧倒される。

トレビの泉とスペイン広場

 コロッセオから再びファロ・ローマを抜け、ビットリオ・イマヌエーレ2世記念堂内の博物館を見た後、トレビの泉に。ここもそうだが市内は世界各国からの観光客で溢れかえっている。続いて同じく映画「ローマの休日」に出てきた階段と噴水が特徴のスペイン広場へ。ここからメトロに乗り、双子教会とオペリスクがあるポポロ広場へ。日没となったため散策を断念し、メトロに再び乗り、テルミニ駅で下車し、国立博物館に入る。30分ごとのガイドツアーで入るようになっており、英語とイタリア語の解説が行われる。ローマ時代の美術品を修復したものが見所。特に家屋に描かれていたというフレスコ画が後の中世の宗教芸術にも受け継がれていることがわかった。ホテルの近くでピザとパスタの夕食。

03.12.27 SAT.]

バチカン博物館

 昨日閉館で入れなかったバチカン博物館へ。開館する8:3025分前に到着したが、すでに100m近い行列で入館待ちの列はどんどん長くなって行く。入館すると、内部もいっぱいの人だが、予想以上に広いので、ゆっくり見ることができる。宗教画だけでなく、中世の地図や教皇のもとに届けられた貢物と思われる美術品なども展示されており、見所も多い。やはり有名なのは、ミケランジェロが描いた「最後の審判」のあるシスティーナ礼拝堂。

メディチ家の繁栄が今に伝わるフィレンツェ

 バチカンから地下鉄でテルミニ駅へ戻り、駅近くで昼食を取った後、高速列車ユーロスターでフィレンツェに向かう。まず、駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会へ。独特なゴシック様式の外壁が印象的。駅近くにはホテルがいくつもあるが、手ごろな値段のちころは満室。数軒あたった後、ラ・ジョコンダに宿泊。荷物を置いて、市内散策。 フィレンツェを支配したメディチ家ゆかりの歴史的建造物が多い。メディチ家礼拝堂、サン・ロレンツォ教会は、内装も手が込んでおり、かつての富と権力を今に伝える。ドゥオーモの天辺のクーポラと呼ばれる展望台からは市内の眺めが美しい。ちょうどここで日没でだんだん闇に染まって行く。次いで、昔の共和国政庁だったヴェッキオ宮に。会議に使われた間などの建築だけでなく、絵画や中世の地図なども展示されており見所は多い。すっかり暗くなったが、アルノ川にかかるヴェッキオ橋をわたり、ピッティ宮へ。見上げるとヴェッキオ宮からここまで回廊がつながっている。ピッティ宮は閉館しているため、夕食を取ってホテルに戻る。

[03.12.28 SUN.]

ボローニャ

 フィレンツェ駅でボローニャ行特急(ES)とベネチア→ニースの夜行列車のチケットを購入し、8時過ぎの列車に乗車。高速新線でなく在来線を走っているためか、あまりスピードは出ないが、1時間程度でボローニャ着。日曜ということもあり商店も休みが多い。歩道が建物の1階部にあるアーケード状の道を歩き、市庁舎のあるマッジョーレ広場へ。ここには、ファシストへのレジスタンスや爆弾テロによる犠牲者の祈念碑が大きく掲げられている。広場正面のサン・ペトロニオ聖堂はミサの最中。近隣を歩くと古い建物を外観をそのままにしながら、中に近代的なショッピングセンターがあったりする。急な階段を上りボローニャの斜塔に登ると、高い建物がないため、眺望が楽しめる。

ヴェネツィア

 再びボローニャ駅に戻り、列車でパドヴァを経由し、ヴェネツィアへ。列車は海上を橋で渡り、終着のサンタ・ルチア駅に到着。駅前がすぐに運河となっており、ヴァポレットと呼ばれる船の乗場がある。ここで24時間券を購入し、サンマルコ広場まで船で移動。雨が降ってきて寒いが、観光客は多い。サンマルコ寺院(中下)の内部は、繁栄していた当時の富の集中を偲ばせる。続いて、ドルカーレ宮殿(かつてのヴェネツィア総督府)へ。ここには、様々な宝物や武器の類が展示されているほか、監獄として使われた部屋も残っている。会議に使われた部屋の天井の絵画が見事。次はヴァポレットに乗り運河を移動し、アカデミア美術館へ。こちらは、1418世紀のイタリア絵画が中心。

夜行列車でフランスへ

 夕食をとってから、駅に戻り、ニース行きの夜行列車に乗車。3段式6人部屋のクシェットに乗る。周りは20歳前後の男女で賑やか。ミラノ、ジェノバを経由し、リビエラ海岸沿いを走るうちに夜が明けてくる。国境のベンティミーリャ駅で列車から降ろされ、バスに乗り換えさせられる。ニースまでの区間で工事中で運休とのこと。バスは高速道路を通りニース駅に向かう。

[03.12.29 MON.]

ニースからエクス・アン・プロヴァンス、アルルへ

 ニース駅(左下)からTGVに乗り、マルセイユに向かう。マルセイユ駅は高台にあり市外が見渡せる(中左下)。ここで、ローカル線に乗り換えて、エクス・アン・プロヴァンスに向かう。ここは、セザンヌの生まれた街として有名。旧市街のあちこちに泉がある(中右下)。徒歩で歩くにはちょうどよい街。サン・ソヴール大聖堂、タピスリー美術館をめぐり、再び駅から列車でマルセイユへ向かう。車窓からは、セザンヌの絵で有名な白い岩肌のサント・ヴィクトワール山が見える。マルセイユ駅で列車を乗り換え、アルルで下車。駅前はすでに暗く、城壁を抜けて旧市街へ入り、ホテル・ゴーギャンというところに宿泊。荷物を降ろして、真っ暗な市内を散策。ローマ時代の円形闘技場、劇場の跡を抜け、近くのレストランで夕食。海産物をオリーブオイル、ガーリックなどで炒めたプロヴァンス風料理(右下)

[03.12.30 TUE.]

アルルから、アヴィニョンへ

 ホテルを出発し、日が昇りきらないアルルの町を散策。闘技場の大きさをあらためて実感。ローヌ川沿いにアルル駅に戻り、普通列車でアヴィニョン駅へ。駅前から城壁をくぐり、市外に入る。市場でドライトマトやチーズを買った後、法王庁宮殿へ。かつて、ローマからここに法王庁が移っていた時代があったことを高校の歴史の時間に聞いたことを思い出す。建物の荘厳さは残るが、内部はガランとしている。宮殿のすぐ裏手に丘があり、上るとローヌ川と有名なサン・ベネゼ橋がみえる。入り口で日本語解説のハンドトーキーを貸してくれるが、それを聞くところによると、この橋の歴史は荒れるローヌ川とアヴィニョンの町の栄枯盛衰に翻弄されて、今の姿になったようだ。川に流され途切れた石橋を歩くと、その歴史が偲ばれる。

混雑するTGVでリヨンへ

 アヴィニョン駅近くの郵便局前から、バスでアヴィニョンTGV駅へ。ところが年末で帰省のためか混雑し、パリ行きのチケットが夜の列車まで取れない。そこで、リヨンに行き先を変更し、一時間ほど列車を待つ。リヨンは2回目となるため、土地勘もあり、駅から遠くないところに宿泊。近くの繊維博物館を見た後、地下鉄とケーブルカーでフルヴィエールの丘のノートルダム・ド・フルヴィエール大聖堂へ。ここからの市内の夜景はすばらしい。再び地下鉄でリヨン・パール・デュー駅に戻り、翌朝のパリ行きチケットを購入し、近くのカルフールで買い物を楽しむ。

[03.12.31 WED.]

大晦日のパリへ

 翌朝のパリ行きTGVは時間も早いせいかガラガラ。高速だが揺れも少なく、約2時間でパリ・リヨン駅に到着。エトワール凱旋門から1km程度の距離にあるHotelAmbassadeに宿泊。エッフェル塔の南東側にあるシャン・ド・マルス公園から、ナポレオンの墓のあるアンヴァリッドへ。ここには軍事博物館も併設されており、過去のフランスの武器があるだけでなく、第二次世界大戦に関する展示も充実している。続いて、ルーヴル美術館へ。残念だが大晦日のため、閉館が早く入れず。セーヌ河畔を歩き、ノートルダム寺院へ。大晦日のミサの最中のようである。パリ市庁舎前を通り、ポンピドゥーセンターにある国立近代美術館へ。ここは、やや前衛的な作品が多いようだ。閉館後はエッフェル塔の夜景をみるため、シャイヨー宮へ。イルミネーションがきらびやかだが、人でも多く、道路も一部通行止め。近くで夕食を取り、ホテルに戻るが、風邪のせいか調子が悪く寝込んでしまう。

[04.1.1 THU.]

市内を散策し、ドゴール空港へ

 新年をシャンゼリゼで迎えようと考えていたが、朝まで寝込んでしまい。結局、TVで年越しの様子をみる。(あまりにも残念だったので、翌年もう一回訪れる)。起きてからは、凱旋門、バスティーユ広場、パリ北駅、エッフェル塔を回るが、元旦は営業していないところも多く、どこも静かである。雪がだんだん強くなり、ドゴール空港の離陸も2時間以上遅れる。

[04.1.2 FRI.]

成田空港に帰国

 

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