2007年1月 ポルトガル-スペイン-フランス】

[2007.1.1]成田→リスボン

 元旦の成田空港は混雑はしていないが、樽酒が枡に入れられて配られ、和やかな雰囲気がある。両替では1=\160.512:00発のJL401便でロンドンへ。機内は満席だが、JAL悟空のチケットで、ビジネスクラスにアップグレードしてもらえたため、約12時間をゆったりとした座席で過ごすことができた。

 ロンドン・ヒースロー空港に16時過ぎに到着。いったんイギリスに入国したが、以前に比べてチェックが厳しくなったせいか、40分近く行列に並ぶ。JALが着くターミナル3から、ヨーロッパ方面のBAが出発するターミナル1まで移動するが。ここでも荷物検査が厳重。ジャケットだけでなく、セーターや靴まで脱がされて検査にかけられる。18:10発のBA503便でリスボンへ。やや遅れ、21時過ぎに到着。

 リスボン空港は、クリスマスのイルミネーション(サンタ)で飾られている。空港バスは終了しているが、一般の市内バスは夜遅くまで運行している。市中心部までは思ったより早く到着。工事のため休止しているケーブルカー・グロリア線の側にあるSUICO ATLANTICOに宿泊。日本からインターネットで予約し7200円、年始ということでやや高いようだ。荷物を置いて、周辺を散策。街を飾るイルミネーションが美しい。22時過ぎだが、レストランで楽しむ人も多い。歩いていると、南アフリカから来たという20代の女性が英語で話しかけてきた。リスボン空港に着いたが、ロストバゲージにあい、手持ちのランド通貨が両替できず、空港に戻れず困っているので、両替してくるまでユーロを貸してほしいとのこと。だが、少々話に矛盾があるし、この手の話は聞いたことがあるような気がして断った。(帰国して外務省の安全情報HPをみると、やはり常習犯だった。)

△リスボン空港              △ドン・ペドロ4世広場

△アウグスタ通り             △フィゲイラ広場とトラム

△コインブラ大学

△ポルト・サンベント駅         △ドン・ルイスⅠ世橋

△橋からみた川沿いの歴史地区    △ポルト市庁舎

[2007.1.2]リスボン→コインブラ→ポルト

 ホテルで朝食後、7:50に出発。トラムとバスを乗り継いで、サンタ・アポローニャ駅へ。ポルトガル国鉄(CP)8:55発のポルト行きインターシティに乗車。コインブラまで15。次のリスボン・オリエンテ駅で満席に。列車はテージョ川沿いに北上。コインブラB駅で下車し、連絡列車に乗継、約5分で終点のコインブラ駅に到着。

 コインブラは、中世からの大学街として知られている。川沿いの駅から、大学がある丘の上までは、曲がりくねった道を歩く(バスもあり)が、そこからの眺めもまたよい。ノートや本を抱えた学生を結構見かける。階段を下って、 再びコインブラ駅に戻り、14:12発のポルト行きに乗車、8.2

 ポルト・カンパーニャ駅で近郊電車に乗換え、中心部のサンベント駅へ。この駅のアズレージョ(絵タイル)はなかなか大きい。ホテル(20)に荷物を預け、丘の上にあるカテドラルからドン・ルイス1世橋へ。上部が地下鉄と歩行斜専用、下の端が自動車となっている。川の両側は切り立った斜面で、その丘の上に街が広がっていることがわかる。人や車も多く、活気ある街である。

 18時近くなるとすっかり日が暮れるが、夜景がきれい。市街に戻り、夕食をとった後、再び市内を歩く。かつての大航海時代の繁栄を偲ばせる立派な市庁舎もライトアップされている。急な坂道を下り、川沿いの歴史地区へ。ここには、エンリケ航海王子の住んだ家があり、昼間であれば入ることができる。シーフードが食べられるレストランも並んでいる。

[2007.1.3]ポルト→サンチャゴ・デ・コンポステラ

 ホテルを7:00に出発。再びサンベント駅より乗車。スペインのサンチャゴ行のチケットを頼むと、直通列車の終点ヴィーゴまで発券、12.75。カンパーニャ8:05発のヴィーゴ行2両編成のディーゼルカーに乗継。乗客の乗降は多いが、国境を越える人はあまり多くない。あまり険しくはない山間部を抜けると海沿いのヴィアナ・ド・カステロへ。ここから、ミーニョ川沿いに走った後、川を渡るとスペインへ。30分ほど走ると、ヴィーゴ湾が見えてくる。ヴィーゴはスペイン有数の漁港があるとのことで、港町らしい雰囲気がある。ここで、スペイン国鉄(Renfe)のサンチャゴ行12:45発の列車に乗換え、5.65。山間部や入江がある変化のある風景をみて、約2時間でサンチャゴ駅に到着。

 サンチャゴ・デ・コンポステラは、聖ヤコブの伝説から、キリスト教3大聖地の一つとして、ヨーロッパ各地から巡礼者が集まってきたところ。さすがにオフシーズンとあって、巡礼者はほとんど見かけなかったが、各地から観光客が集まっている。駅前から10分近く歩くと旧市街に入り、迷路のような石畳の細い道になる。HOSTAL MAPOULAに宿泊、25。ほとんどの商店は13:3016:00の間は休みを取っているため、先ずカテドラルへ。バチカンのサンピエトロ寺院のような壮大さはないが、長い年月にわたり、聖ヤコブとの出会いのために多くの巡礼が訪れた歴史が伝わってくるようである。夕食にメルルーサのフライを食べた後、バルへ。スペインのバルはワインかビールを頼むとカウンターに並んでいるタパスの中から、3品程度をつまみとして同時に出してくる。これで約3。多くの客は一つの店で1杯程しか飲まず長居をしないが、いくつかの店をハシゴして飲むそうである。

△国境のミーニョ川を渡る         △ヴィーゴ駅

△サンチャゴのカテドラル       △カテドラル内

△レオン、巡礼路を示す貝の印   △カテドラルとステンドグラス

△オビエドのカテドラル        △アストゥリア風シチュー

[2007.1.4]サンチャゴ・デ・コンポステラ→レオン→オビエド

 ホテルを6:20に出発。サンチャゴ駅6:45発、オウレンセ駅で乗換え、レオンまで、約6時間、€21.59時ごろになるとようやく明るくなってくるが、山間部の川沿いの谷間を縫うように列車は走る。12:55にカスティーリャ州のレオンに到着。国鉄駅の近くにあるバスターミナルでオビエド行きのバスの時間を確認してから、バルで昼食。イカのから揚げを挟んだボカディーリョとビール。スペインのバルはどこでも冷えた生ビールがおいしい。

 レオンはサンチャゴへの巡礼路の要所として知られ、道路のあちこちに巡礼路を示す帆立貝の印が埋め込まれている。スペインでは13:30-16:00に商店が中休みを取るが、ここのカテドラルや博物館も同様。とりあえず、外観が中心だが、カテドラル、サン・イシドロ教会、サンマルコス修道院をまわる。16時になったので、カテドラルに入場、スペインでも指折りというステンドグラスは見事なもので、巡礼者には感動が大きいだろう。

 レオンのバスターミナルから、17:00発のALSAバスでオビエドへ、€7.56。途中の高速道路からの山と湖の眺めはなかなかよい。約2時間弱で、アストゥリアス州のオビエドに到着。この地方の中心都市らしく、活気がある街。HOTEL ALTEZAに宿泊、28

 オビエドは千年以上の歴史ある都市だが、スペイン内戦で破壊されたため、カテドラルも再建されたとのことだが、その周辺は古い街の雰囲気が残っている。夕食はこの地方の豆やキャベツと肉を煮込んだシチューを食べる。

[2007.1.5]オビエド→ビルバオ→サン・セバスティアン

 ホテルを7:20に出発。ALSAバスでビルバオへ、通常17.945時間前後かかるが、この時間帯はSupraしかなく、30.013時間半。横3列シートで軽食つき。大半は高速道を走行し、途中はサンタンデールのみ停車。ビルバオに11:20頃到着。ここから、トラムの一日乗車券3を購入し、中心部に向かう。スペイン語とバスク語が併記されている。

 ビルバオはバスク地方の中心的都市で、工業が発達しているようである。10年前に建てられたグッゲンハイム美術館前で下車。鑑賞する時間がなかったが、ユニークな造形の建物。次に旧市街に向かい、市場へ。2階が野菜と肉だが、1階の魚売場がおもしろい。海が近いこともあり、鰯、イカ、アンコウ、様々な魚が並べられ、買い物客も多い。旧市街を散策した後、バスク鉄道(EuskoTren)のアチューリ駅から、13:57発のサン・セバスティアン行の列車に乗車、6.2。山間部を走るがあちこちに町があり、乗降客も多い。バスク地方の雰囲気をつかむことができるような気がする。

 サン・セバスティアン(バスク語でドノスティア)16:40に到着。駅から5分ほど歩くとカテドラルがあるが、その前の桜?が咲き始めている。やはり、ヨーロッパは暖冬のようだ。その近くのペンシオンに行くと翌日がスペインの祝日(主顕節;幼子イエスへの東方の三博士の訪問と礼拝を記念)ということで混んでいるらしく、近所の他の部屋を紹介される、窓がなくベッドだけで、シャワー・トイレ共用だが清潔、25。コンチャ湾側の市庁舎まで行くと、主顕節に関連したイベントが行われているようで、衣装を着た子供のろうそく行列に人だかりがしている。夕食はバルに入ったが、魚介類を使ったタパスが何種類も並べられており、どれもなかなかおいしい。サン・セバスティアンのバルはどこも水準が高く、今回の旅行で最もよかった。食後に歩いていると、バスク問題についてのデモ(主張はバスク語のためわからず)が行われていた。

△グッゲンハイム美術館        △ビルバオ旧市街の市場

△サン・セバスティアンのろうそく行列  △バルのタパス

△ボルドーのガロンヌ川        △ポイヤックのシャトー

△ワインの製造所と倉庫

△マルゴーのシャトー         △試飲

[2007.1.6]サン・セバスティアン→ボルドー

 朝6:00に部屋を出て、国鉄のサン・セバスティアン駅へ向かう。フランスの国境駅エンダイヤでフランス国鉄に乗換えるためには、バスク鉄道を使うのが一般的だが、土曜の朝は8時を過ぎなければ運行しないため、ボルドーに午前中に着けない。とにかく、国境の手前のイルンまでは国鉄の近郊電車があり、エンダイヤまでは約2kmなので、いざとなれば歩いてもということで、6:30発の始発に乗車。イルン駅で窓口の駅員に聞き、直後に来るリスボン始発の夜行列車に乗せてもらい、思ったより簡単にエンダイヤに着くことができた。パリ行き7:56発のTGVに乗換える人が多く、大荷物を持っている。同じホームで乗換えることができるように、スペインの広軌線をフランスの標準軌が挟むようになっている。フランス国鉄(SNCF)の窓口でチケットを購入、ボルドーまで2等で31.6TGVでも在来線を走っているので、日本の在来線特急とスピードはあまり変わらない。

 ボルドーに10:23に到着。ここから、中心部まではトラムに乗る。一日乗車券が4.1。終点のカンコンス広場の近くにあるボルドー観光局のオフィスで、当日午後のワインシャトー巡りツアーを申し込む、29。近くのHotelSaintRemiに宿泊、エレベータがないのが辛いが35は、このあたりでは安いようだ。トラムを乗継、サンタンドレ大聖堂などを見た後、13:30にバスでツアーは出発。

シャトー巡りツアーのガイドは一人で仏語と英語で説明がある。ボルドー市内を流れるガロンヌ川とその下流のジロンド川沿いにワイン産地は広がっているが、道路を北上し30分位するとブドウ畑が広がり、シャトーが点在し始める。はじめにオー・メドック地区のポイヤックにあるChateau Peyrabonへ。工場というほどの装置はなく、簡単なぶどうの洗浄と搾汁の機械があるのみで、あとは発酵させるためのタンクとワインを詰めた膨大な樽が置かれた倉庫がある。シャトーが持つ畑で栽培されている品種は、カベルネソービニョン、メルローなど数品種あり、シャトーによって比率の違いがある。これらは、品種を分けずに醸造されるところもあれば、分けて醸造した後にブレンドするところもある。その違いがシャトーごとの味わいの違いを生むのだろう。説明を聞いた後に、年産の異なるワインを数種類試飲。年毎に香りや酸味、甘みが異なり、奥深さが感じられる。続いて、メドック地区のマルゴーにあるChâteau Labégorceへ。こちらも同様に見学と説明の後、試飲。ほろ酔い気分で市内に戻ると18時半頃に。市内のスーパーに入ると、やはりワインコーナーが充実しており、ボルドーの各地区ごとに棚が区分され、いろいろなシャトーのワインが置かれている。

[2007.1.7]ボルドー→フォンテーヌブロー→パリ

 朝7:00のホテルを出発。日曜の朝はトラムの運行本数が少なく、15分以上待つ。ボルドー駅で8:00発のTGVのチケットを購入しようとしたところ、1等しか空席がないと言われてしまう。2等なら74.8だが、1等は98。日曜は運転本数が少なく、次は10:28なので、やむなく購入。座席は横3列で座り心地もよい。

 パリ・モンマルトル駅に11:40に到着。地下鉄を乗り継ぎ、リヨン駅へ。ここから、フォンテーヌブローに停まる12:51発の列車に乗る。約60kmの距離があるが、RERの終点ムランまでの途中駅はすべて通過するので約40分で到着。駅前からは市バスに乗り約20分でフォンテーヌブロー宮殿に到着。ヴェルサイユ宮殿には規模で及ばないが、当時のフランス王の贅沢な暮らしを垣間見ることができる。第1日曜でパリ市内の博物館と同様に無料入場のためか、来客者も結構多い。宮殿と庭園を散策。

 再びパリに逆のルートで戻り、シャルル・ド・ゴール空港に向かうRERに乗換える途中で、セーヌ川のシテ島にあるノートルダム寺院に立寄る。礼拝の最中だが多くの人が集まり静粛さには欠ける。

 空港ターミナルには19:30に到着。21:20JL416便は満席。

△フォンテーヌブロー宮殿

△フォンテーヌブローの運河     △パリ・ノートルダム寺院

 

[2007.1.7]パリ→成田

 成田空港には、ほぼ予定通り17時に到着。この日は、帰国が多く混雑したと後で聞いたが、荷物を預けなかったのでスムーズに京成電車に乗換え、20:00に都内の自宅に帰着。

 

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