20028月ヨーロッパ旅行記録】

[02.08.12 MON.]

東京からチューリヒへ

 成田発12:00のスイス・エアラインズ(LX)169便で、チューリヒへ。満席だが、チューリヒから乗り継ぎの乗客が多い様子。チューリヒ空港は雨が上がったばかりなのか、虹が出ている。同日接続便がないため、チューリヒ泊になる。空港の地下から列車に乗り、チューリヒ中央駅に18時過ぎに到着。満室で2軒断られるが、駅から徒歩3分程度のHOTEL MARTAHAUSに宿泊、トイレ・シャワー別で80SF(1SF=\85)

 荷物を降ろして、市内散策。チューリヒ湖のほとりから歩きながら中央駅方面へ。涼しく上着が必要。ホテルの近くで夕食。ウィンナーシュニッツェルとビール3杯で29SF

 

[02.8.13 TUE.]

チューリヒからブレーメンへ

 6:40に出発。ホテルの近くから、チューリヒ工科大学がある丘の上に行く、小型のケーブルカーに乗る。トラムでも来ることができる場所なので大きな高低差はないが、メンザ(学生食堂)の上から市街が見渡せる。時間の余裕がないため、すぐに戻り、チューリヒ中央駅から、空港駅への列車に乗る。

 空港に着き、チェックインカウンターで搭乗手続きをすると、搭乗予定のブレーメン行きLX838便にDELAYの表示が出ている。「搭乗口で案内を待て」との指示だったので、とりあえず搭乗口へ。しかし、当然ながら日本語の案内があるわけではないので、状況はよくわからない。搭乗時間の8:30を過ぎて、掲示を見るTECHNICAL REASONと表示されている。どうやら、欠航の様子。近くの係員に尋ね、トランスファーカウンターで、ミュンヘンまでLX、ミュンヘンからルフトハンザの国内線にチケットを変更してもらう。飛行機の遅れはこれまでも経験したが、他社便への振替は始めて。ブレーメン着が2時間程度遅くなるが仕方がない。ミュンヘンまでの飛行機は、プロペラ機で機内も狭い。機内持ちこみ荷物も小さくないものは搭乗時にボックスに預ける。

 ミュンヘン空港の乗換えは、横長のターミナルを端から端まで、何百メートルも歩かなければならないが乗換え時間が短いので、急ぎ足で移動。

ブレーメン市内

  ブレーメン空港に12:15に到着。空港は大きくないが、市内までのトラムが等間隔に走っており、これに乗れば、市内の中心部や鉄道駅まで行けるので、とても便利。市庁舎の近くでトラムを降車。石畳の細い道が入組んだシュノーア地区へ。ここは観光客向けにレストランやアクセサリーショップが建ち並ぶ。続いて聖ペトリ大聖堂(下の写真)の塔に登る。荷物を背負いながら、何百段もの階段を上がるのはさすがにきついが、他に高い建物がないため、市内の見晴らしがよい。次は近くの市庁舎へ。このあたりには屋台が並び、ソーセージや魚のフライを昼食用に購入。「ブレーメンの音楽隊」の像が市庁舎の横にあり、観光客が次々と記念撮影をしている。ベットヒャー通りの仕掛時計をみて、当地のBecksBierを飲んで、中央駅へ。15:14発のハンブルグ行ICに乗車。

ハンブルグ市内を散策

 ハンブルグ中央駅に16:10到着。駅の近くには料金の高くないホテルがいくつもあり、その中からHotel-Villageに宿泊。トイレ・シャワー別で42ユーロ(1ユーロ=120)。荷物を降ろして、中央駅からSバーンに乗り、聖ミヒャエル教会へ。ここは戦災で破壊されたものを復興したそうだ。エレベーターで塔に登るが、展望台は風がとても強い。しかし、眺めはすばらしい。ブレーメンと比べても大都市だが、エルベ川やアルスター湖などの水のある風景が大都会らしさを感じさせない。大聖堂を出て丘を下り、運河のある地域を通って、市庁舎へ。この市庁舎は、ネオ・ルネッサンス様式というそうだが、大きさ装飾ともなかなか見事なもの。現在も議会として使われており、自由に出入りできる。市庁舎の近くは、デパートなどが並ぶショッピング街。散策した後、Sバーンに乗り、有名な歓楽街レーパーバーンに行ってみる。日没前でまだ明るいため目立たないが、夜はネオンがまぶしいくらいだろう。スキンヘッドの男たちがいたり、あまりガラのいいところではないので、早々に退散。途中で夕食にPannfischという魚料理(20.8ユーロ)を食べ、中央駅で翌朝の乗車券を購入してホテルに戻る。

[02.08.14 WED.]

ハンブルグからコペンハーゲンへ

 ハンブルグ中央駅7:28EC31ThomasMann号コペンハーゲン行に乗車。4両編成のディーゼルカーで57.4ユーロ。リューベックを経由し、Puttgardenから、トラックなどと一緒に列車ごとフェリーに積みこまれる。これは初体験。列車を降車し、デッキから景色を眺めたり、免税店で買物をすることができる。同じ会社のフェリーと行き交うが、発着を短時間で済ませるため、前後とも船首になっている。

 デンマーク側に着くと再び平野の線路を走り、正午にコペンハーゲン中央駅へ。駅の南側のホテル街で比較的安い宿を探すが、3軒目のHotelCentrumに空室があり決める。シャワー・トイレ付で550DKK1DDK=18円)なので、他国と比べて高い。荷物を置いて、駅近くのニュー・カールスベア美術館へ。これは、ビール会社のオーナーが集めた美術品が集められているが、水曜日は入場無料。エジプトやギリシャの彫刻などが充実している。

カールスバーグの本社工場→市内中心部へ

国電で二駅目から、工場の外周に沿って、見学者入口まで20分以上歩く。城のような造りだが、構内は創業当時からの醸造方法が展示されており、ビールの醸造の仕組みもわかるようになっている。最後に無料でビールを2杯飲ませてくれる。できたてのビールはおいしい。

 市内にはバスで戻り、市庁舎の前で下車。赤レンガの市庁舎は、内部も立派。続いて近くの国立博物館へ。ここも水曜は無料。デンマークの古代から現代までの歴史が学べるようになっている。英語の解説もあり、外国人にもわかりやすい。

国会もあるクリスチャンボー城に行くが、どこが入口なのかよくわからないので、入館はあきらめ、繁華街のストロイエへ。ここは歩行者のみが通行できるため、観光客、買物客で賑わっている。歩いた後にバスで人魚の像がある港湾地区に。像は小柄だが、観光客が押し寄せている。再びバスに乗り市街に戻り、ラウンド・タワーに上る。ここはらせん状の通路を登っていくと展望台に出て、市内が見渡せる。

 観光シーズンのため、レストランが混んでいるため、期待の魚料理が食べられなかったが、途中でケバプサンドを食べて、賑やかなチボリ公園の前を通ってホテルに戻る。

[02.8.15 THU.]

中世の長屋と王宮

 ホテルに荷物を預け、中央駅からバスに乗り、オステルポルト駅で下車。駅の近くのニューボーダー地区は、海軍軍人用の住宅として造られた中世の長屋の名残だそうで、同じ形の黄色い住宅に現在も住人がいる。大理石が使われているフレデリック教会の前を通り、アメリエンボー宮殿へ。ここは女王が住む王宮で衛兵が立っているが、建物に囲いもなく側まで行ける。

労働者博物館と自由博物館

 再びオステルポルト駅から電車に乗り、隣のノーレポルト駅で下車し、労働者博物館へ。ここは、労働運動と労働者の生活の歴史を展示している。入口には、レーニンの像があった。英語の説明もあるのでわかりやすい。もう一度、オステルポルト駅に戻り、自由博物館へ。ここは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツに占領されたデンマークの国民生活、抵抗運動に関わる展示がされている。イギリスからレジスタンス運動を支援するために、パラシュートで降下し逮捕・処刑された人もいたことがわかる。中央駅に戻り、ホテルで預けていた荷物を受け取り、マルメまでの乗車券を購入、62DKK

電車でオスアン海峡を渡り、マルメで乗換え、カールスクローナへ

 スウェーデン・マルメ行の電車は20分おきに発車。13:00発に乗車し、オスアン海峡をトンネルと橋で渡り、約35分で到着。市内を散策する。市庁舎などの歴史的な建造物などのほか、この地方の家具やガラス製品などの展示・即売をするフォルムデザインセンターなどがある。駅に戻り、15:31発カールスクローナ行の3両編成のディーゼルカーに乗車。225SEK(1SEK=15)

グディニア行のフェリーに乗船

 やや遅れて18時半頃にカールスクローナ駅に到着。駅の窓口が閉まっており、グディニア行のフェリーがどこから出発するのかわからない。地図をみているバックパッカーのカップルに聞くと、イギリスから来て同様にフェリーに乗るそうだが、乗船場所を探していると言う。しばらく、一緒に歩きながら通行人に聞くとバスに乗らなければならないらしい。バスまで時間もあるので市内を散策しながら、ビール,ハンバーガーを購入。この街は古くからスウェーデン海軍の軍港となり、世界遺産にも指定され、歴史的な建造物も多いらしい。駅前に戻り、6番のバスに乗り、30分弱でフェリーターミナルへ。

 グディニアまでは、StenaLine395SEK。これに船室別の料金が上乗せされる。一番安いリクライニングシートで70SEK。船の5階から11階まで船室があり、上の階ほど高い。安い船室で400SEKくらい。21時に定刻通りゆっくりと出発。船内には、レストラン、カジノ、免税店がある。冷えたビールがないのは残念だが、リクライニングシートでビールを飲みながら休む。耳栓が役に立つ。

[02.8.16 FRI.]

グディニアで下船し、グダンスクへ

7時にグディニアのフェリーターミナルに到着。入国審査を済ませて外に出るとタクシーが客待ちをしているが、通りすぎてバス停を探す。バス停が二ヶ所あるが、とりあえず近い方で待つとバスが来たので、運転手にグディニア駅に行くか進行方向を指差しながら聞くと頷くので乗車。車内で1zl(1zl=約30)4枚つづりの乗車券を購入。このうち2枚に日付・時間を打刻。10分ほどでグディニア中央駅に到着。7:29発の急行列車に乗車し車内で乗車券を購入。運賃5.3zl+料金2.8zl。グダンスクまでは複々線で、年季の入った近郊電車が併走する。グダンスク駅に7:56到着。駅で荷物を預ける。

グダンスク造船所と旧市街

 駅からトラムに乗り、1.2zl5枚つづりの乗車券を購入。一駅目で下車し、グダンスク造船所へ。1980年に自主管理労組「連帯」の運動が発祥したところ。記念碑があるが、造船所内は雑草が茫々で活気がない。現在は事業を縮小し、当時よりかなり少ない労働者しかいないそうだ。再びトラムに乗り、旧市街の入口である高い門の前で下車。

 門をくぐり旧市街へ。真直ぐ歩くと細長い長方形のドゥウーギ広場へ。土産物屋などが軒を連ねる市内隋一の観光名所。広場を抜けて、運河のほとりへ。ここには、かつて造船所の木造クレーンの建物があり、海洋博物館として、世界各地の船舶や近代グダンスクの繁栄の様子が展示されている。このあたりは琥珀の産地らしく、原石から装飾品に加工されたものまで琥珀を売る商店が数多くある。それらを眺めながら、聖マリア教会へ。ここの塔の上までは何百段もの階段を上がらなければならないが、市内で一番高いところなので眺めがよくドゥウーギ広場も見下ろせる。続いて市庁舎へ。ここは、歴史博物館になっており、中世の装飾品も展示されている。このあたりは、第二次世界大戦勃発の地であったため、戦争終了時は廃墟になていたものを戦争前の街のように復旧したそうだ。いまは商店が入っている旧武器庫に立ち寄った後、トラムで中央駅に戻る。駅の出札窓口は長蛇の列。やっとの思いで窓口に着き、トルンまでの乗車券(35.52zl)と時刻表(4659zl)をカードで購入。しかし、カードの読取機械の調子が悪いらしく待たされる。トルン方面行きの列車には間に合ったが、他の乗客に申し訳なかった。

コペルニクスの生まれた町トルン

 13:06発の列車でトルンに向かう。列車は前がヴロツワフ行で、後半分がトルン方面行。ビュッフェでチキンカツとビールの昼食を取る。列車は満席で通路には立っている人もいる。16:05トルン駅着。駅前からバスに乗り、ヴィスワ川を渡り、トルン市街へ。中心部に近いHotelPodOrlemに宿泊、朝食なしで110zl。荷物を降ろし、旧市庁舎の塔に登る。中世の雰囲気を残す旧市街とその向うには団地もある。再び旧市街を歩く、郵便局、プラネタリウム、刑務所などの前を歩いて、コペルニクスの生家へ。今は博物館になっているが、夏は18時までで閉館のため入れず。ちょうどこの日にローマ法皇ヨハネ・パウロU世がポーランドを訪れたようで、ポーランド国旗とバチカンの旗があちこちに飾ってあり、TVの特集もやっていた。この街は、かつてドイツ騎士団領だったそうで、当時の城壁も残っている。週末の夜のせいか、多数の若者が賑やかに飲んでいる。夕食に魚料理を食べて、ビールを飲んでから就寝。

 

 

 

[02.8.17 SAT.]

小雨降るポズナンへ

 今朝のニュースもドイツ東部の洪水の模様を伝えている。一昨年訪れたドレスデンの中央駅も列車が水に浸かっている。ホテルを7:30過ぎに出発。旧市街を通り抜け、バスに乗り、トルン中央駅へ。ポズナン行の乗車券を購入、29.45zl8:50発のヴロツワフ行の列車に乗車。ところどころに湖のある平地を走り、10:55にポズナン中央駅に到着。市内に行く前にベルリンまでの乗車券を購入、119.13zl。小雨が降っている。市街まではトラムに乗って移動、1zl

 ポズナン大学の側で下車。ポズナン暴動の記念碑があるミツキエヴィッチ公園、文化宮殿、国立美術館の前を通り旧市場広場へ。広場の中に旧市庁舎の塔が立つ。ここには、いくつかの小さな博物館があり、その中の一つ軍事博物館に入ってみる。現在のポーランド軍の制服から、中世の甲冑まで展示されている。(ここでカメラが故障したため、以後は画像なし)川を渡って、ポズナン大聖堂に向かうが、列車までの時間がないため、建物を外から眺めて、トラムに乗車。ポズナン駅に着きホームに行くと、すでにベルリン行13:30発のECが入線している。6人掛けのコンパートメントだが、禁煙でないので少々辛い。

ベルリンとポツダム

 列車はオーデル川を越え、ドイツへ。出入国の手続きもスムーズ。しかし、遅れが出はじめ、終点ベルリン・ツォー駅に18:20頃到着。駅からクーダム通りに向かうと土曜日だからかイベントがあるせいなのか、車両が通行止めになり、道路にはコースターなどの遊具、ファッションショーの舞台がつくられ、ビールやソーセージなどのスタンドも並ぶ。歩行者天国の切れ目からバスに乗り、二つ目で下車。HotelBogotaに宿泊、シングル朝食付で44ユーロ。荷物を降ろし、ビールとソーセージを買って食べながら、ツォー駅に戻る。列車でポツダムへ移動。20時近いがまだ明るいので、バスに乗りサンスーシ宮殿へ。丘陵の上の宮殿から、庭園が見下ろせる、なかなか洒落た宮殿。市の中心部までバスで戻るが、レストラン以外の商店は閉まっている。トラムでポツダム中央駅に戻り、Sバーンで乗り継ぎながら、ベルリン・ツォー駅へ戻る。再びスタンドで食べ物を買い、ビールを何種類か飲み、23時過ぎにホテルに戻る。

[02.08.18 SUN.]

連邦議会議事堂、新首相官邸をみてから空港へ

 空港に向かう前に少し時間があるので、バスを乗り継ぎ、一昨年も行った連邦議会議事堂へ。議事堂に上がると変化の著しいベルリンの街が見渡せる。西側の少し離れたところに新しい建物ができ、入口に大勢の人が行列をつくっているので行ってみることにする。新首相官邸の一般公開をしているらしい。荷物を預けて行列に並び、官邸の中へ。中も行列で動かないが、帰りの便の出発時間が迫っているので、追い越しながら、記者会見場、国際会議室などをみる。贅沢という批判が上がっているそうだが、確かに内装や調度品なども高級感がある。急いで出た後、バスをツォー駅で乗換え、テーゲル空港へ。11:30LX967便でチューリヒへ。チューリヒ13:30LX168便に乗り継ぎ、離陸が遅れる。

 

 

[02.08.19 MON.]

東京に戻る

 成田には1時間近く送れて到着。京成の羽田空港行特急に乗り、自宅への帰路へ。

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