ベケット便り 


2004年12月4日まで、マサチューセッツ州ベケットのKushi Institute
(マクロビオティック指導者養成機関) で研修に参加してきました。


11月7日-14日 Kushi Institute到着〜最初の一週間
11月7日、Kushi Institute到着。
隣町のバス停まで、Kushi Instituteのヘッドコック(キッチンの調理責任者)のひとりである紀子さんが車で迎えに来てくれる。ちょうど1年ぶりの再会!紀子さんは、K.I.での私のお母さん。キッチンでシェフを務める傍ら、クッキングクラスで教授陣の補佐をしている、太陽のような笑顔の持ち主。生徒、スタッフ、ゲスト、先生方、みんな彼女を慕ってやまない。

 ← 左写真が、紀子さん。

スタッフや以前のクラスメートの懐かしい面々とも再会。これからIntensiveな一ヶ月が始まる。

Kushi Instituteの寮は、以前はリタイアしたカトリック僧たちの住居だったというクラシックな建物。古ーーーい木造で、暖かな色の電燈がともり、とても心が和む。居室には古いデスクとベッドとクローゼット(すべてアンティークといっていいほど年代物)があるだけで、至ってシンプル。古いだけあってあちこちがたついているけれど、去年に比べてバスルーム(もちろん共同)などが少し綺麗になっていた。
11月8日午前7時、授業開始。
朝7時からのEnergy Exerciseから始まって午後6時まで続く授業。しばらくさぼっていた気功や呼吸法が背筋をまっすぐにしてくれる。珍しく少し時差ぼけが残っているので時々襲う睡魔と闘いながら、必死でノートを取る。骨と関節の病気や、神経系統の不調の原因と予防法、更年期障害の緩和など。難しい単語の羅列で、Spell outしてください!と時々先生に頼まなくてはならない。クッキングもremedyやmedicinal dish (症状改善のための特別メニュー)中心になってきた。
Eat less, chew well! しかし.....
Kushi Instituteでなんといってもすばらしいのは(もちろん授業もさることながら)、食事。朝・昼・晩とバラエティにとんだマクロビオティックの料理が出され、ビュッフェ形式で好きなだけ食べられる。どうすればこんな旨みが出るのか、どうしたらこんなに甘くなるのか、毎回刺激を受け、驚くことばかり。皆考えることは同じらしく、キッチンスタッフにいろいろ質問している。よくかんで量は控えめに、と思いつつ、つい食べ過ぎる毎日。それにしても、皆ものすごい食欲で、よく食べること! 

11月15日-21日 二週間目
マクロビオティックの本棚から。
寮の1Fにはふたつの講義室があり、ひとつはLibrary(図書館)、もうひとつはChapel(教会)と呼ばれている。Libraryには文字通り書庫があって、火曜日と木曜日に本を貸し出してくれるのだが、その多くはすでに絶版になったマクロビオティックの本で大変貴重なもの。写真に写っているThe Complete Whole Grain Cookbookは、久司先生の奥様のアヴェリン先生が書かれた本で、玄米をはじめとしたあらゆる全粒穀物のレシピが載っているすごく素敵な本だけど、もう書店やAmazon.comで手に入れることは出来ない。出来るだけレシピを書き写しておこうと思って借りた。
健康への道は人それぞれ?
珍しく外泊! ニューヨークに住む6年来の親しい友人Debiが、ベケットの隣町Lenoxにあるスパリゾートに1週間滞在しており、週末に1泊招待してくれた。ヘルシーになりたいアメリカのお金持ちが集うなんとも豪華な施設!低カロリーの食事をし、一日中ヨガやワークアウトに精を出す。みんなとてもシリアスにがんばっている。おそらく宿泊費もすごく高いのだろう。
そんなことしなくても、マクロビオティックの食事にすればお金もかからないし自然に健康にすっきり体型になれるのになーと思いつつ、私もヨガやストレッチのクラスに参加し、そこで出される(ありがたいことに)オーガニックの野菜料理と玄米の食事を数回頂いた。楽しかったし久しぶりに友達に会えて嬉しかったけど、でも、日曜の夕方に寮に帰って皆と夕食を食べたら本当にほっとした。やっぱり、マクロビオティックのご飯は、本当に美味しい。(写真は寮の食堂)

11月22日-27日 三週間目
水曜は納豆の日
毎週水曜日のランチには納豆が出る。食堂の入り口まで、納豆のたえなる香りが漂う。喜んでお皿にたくさんよそう人、Oh my gosh! と毎回顔をしかめる人、いろいろ。私は実は、マクロビオティックを始めるまで納豆が嫌いで、豆料理もあまり好きじゃなかった。でも、乳製品と肉を食べるのをやめたとたん(肉や魚は以前からそれほど食べていなかったけど、乳製品は山ほど食べていた)、豆料理が好きになり、納豆も大好きになった。不思議だったけど、今は納得。重要なたんぱく源として体が要求しているということだから。
Fabulous Thanksgiving Dinner
11月25日(木)はThanksgiving Day(感謝祭)!Kushi Instituteでは今年、数年ぶりに感謝祭のディナーを主催し、総勢130人が集う大パーティーになった。キッチンスタッフは3日前から準備を始め、当日は早朝から仕込みにかかっていた。
メニューはパンプキンスープ、セイタンのローストとセージ入りスタッフィング、豆腐の胡桃と海草のフィリングはさみ焼き、まぜごはん、野菜料理が6種類、ヒヨコマメとナッツの料理、クランベリーソース、しいたけソース、コーンブレッド、大根ピクルス、そしてデザート3種(パンプキンパイ、アップルパイ、レモンムースと豆腐クリーム)!!
はじめに久司道夫先生からのメッセージが読まれ、世界平和への祈り&感謝の黙想(1分間)が行われ、そして皆、ビュッフェテーブルに殺到。マクロビオティックでここまでのごちそうが出来るんだ!と、本当に目を見張った。今回の滞在中にThanksgiving Dayがあって、本当にラッキー。本当に素晴らしい一夜だった。
そしてもちろん、食べ過ぎました。
私のお皿を見てください.....
しかも、このあとデザートのパイを、同じテーブルに座ったクラスメートたちとけん制し合いながら
(「あなたもうひとつ食べれば?」「あら、あなたこそ食べれば?私もう二つ目よ」「いいじゃない今日くらい?」「そうよ年に一度なんだから」...「え、三つ目?うっそー」)、結局ふたつ食べました。

卒業試験
卒業試験が始まった。クッキングクラスは今週から。試験内容は、Five Transformation(五行陰陽)に沿って症状(病気)を選択し、その症状にあったメニューをプランニングし、そのうちのひとつを実際に先生の前で調理し、そのほかにレメディ(療養食)も考えて、それも調理する。そして、その病状に対するマクロビオティック的アプローチの解説、メニューの説明(なぜその材料と調理法が有効なのか)など総合的なプレゼンテーションを行わなくてはならない。ふたり一組でやる。私はマクロビオティック暦10年の博識、Danutaと組むことになり(ラッキー!)、卵巣の症状に関するケーススタディをやることになった。
合計6冊ぐらいの本を分担して調べ、作るものを決めて材料をオーダーシートに書き、話す内容を書き出し、分担を決め....という作業が続く。すでに3組のプレゼンテーションが終了した。先生や、クラスメートから結構厳しい質問が飛ぶ。皆、確実に答えている。さすが!....と感心している場合じゃない。私たちの番は3日後。そして来週は、Diagnosis(望診)や、Healing、そして指圧の試験が控えている。指圧は、実技には結構自信があるのだが、ポイント(ツボ)の名前を山ほど覚えなくてはいけなくて、びびっている。卒業できなかったら大変!週末は勉強だ。。。。。ふう。

11月28日-12月4日 最終週
卒業式
仕事で徹夜したことは何度もあるが、勉強でほぼ徹夜したことなんて、学生時代にもなかったかもしれない。今回は本当によく勉強した。指圧の筆記試験は、全員が「自分は落ちた」と激しく確信するほどタフだったけれど(ツボの名前だけでなく、レメディやdiagnosisなど全般にわたる知識が要求された)、なんとか全員がパス。晴れて、卒業式にクラス全員が臨むことができた。
教授陣から、「くれぐれも、今日が【出発の日】だということを忘れず、常に研鑽に励むように。そして、Go and help people!」という訓示があり、心に刻み込む。今日の日を迎えることができたことに深く感謝しながら。
旅立ちの朝
1ヶ月文字通り寝食をともにしたクラスメート達が、各地へ散っていく朝。ニューヨーク、ネブラスカ、フィラデルフィア、ボストン、ウクライナ、日本...今回のLevel3のこのクラス、実は今までで一番個性が強いindividualsの集まりで、途中いろいろと揉め事があったり、授業中に喧嘩沙汰(?)に発展したような事態もあった。でも、どんな人からも、どんな事からも、必ず学ぶべきことがある。長いようで本当に短かった1ヶ月。今回も、本当に多くのことを学んだ。紀子さんが(内緒で)持たせてくれたおにぎり(涙....)と、キッチンスタッフが用意してくれたtravel meal(左写真) を手に、ニューヨーク行きのバスに乗り込む。紀子さんが、またバス停まで送ってくれた。近いうちに、必ずまた会えると思う。バスは、偶然、クッキングクラスのパートナーだったDanutaと一緒だった。ニューヨークのDebiのアパートに週末滞在し、6日に日本へ向けて出発。帰ったらもう年末だ。そして新しい1年が待っている。
ベケット便り(2004)は、これで終わりです。読んでくださった皆様、ありがとうございました。


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